フランス破産法の判例

 

会社更生手続における劣後債権者の権利
2009年9月にはじまったトムソン・マルチメディア社の会社更生手続では、更生計画批准においてフランスではじめてアメリカのプレパッケージドチャプターイレブンに近い方法が取られたが、そこでは永久劣後債権者の投票権が問題となった。永久劣後債とは、会社が解散するときまで弁済義務が生じず、また全ての債権者への弁済が終わった後に元利金の弁済が行われる社債である。弁済順位が低いため、利率は一般の社債よりも高く設置されているが、利息の支払は会社が利益を上げて株主に配当を行うときにのみ行われる。 トムソン・マルチメディア社は、かつて家電やメディア、とくにテレビ受像機の製造で世界第4の地位を誇る大企業であったが、2000年以降テレビ放送のデジタル化に伴う関連産業の買収・合併戦略が行きすぎて債務が大幅に拡大し、2009年には21億ユーロ(約2040億円)の負債を抱えて倒産寸前の状態となった(...)
破産手続開始前に行った弁済が取消される場合

フランス法で定めている企業の更正、破産手続には、会社更生手続、再建型破産手続、清算型破産手続がある。会社が支払停止(cessation des paiements)の状態になっていない場合には会社更生手続が、会社が支払停止の状態にあり、更正の可能性がある場合には、再建型破産手続が、更正が不可能な場合には、清算型破産手続 が取られる。いずれの場合も会社の代表者、または会社が支払停止の状態にある場合には債権者や検察官の申請により、裁判所が手続開始を命じ、更正、破産手続のた めの手続判事、及び会社更生手続、更正のための破産手続においては管財人と債権者代表たる法定受任者、清算のための破産手続においては清算のための管財人を任命する。手続開始命令は官報に公示され、会 社の商業登記簿謄本に記載される。更正、破産手続開始命令が下されると、6ヶ月間の監視期間が定められ、この監視期間の間、手続開始命令以前に生じた債務の弁済は相殺による弁済を除き禁止される(...)